2012年1月17日火曜日

40代~にPCスキルが身につかない理由

今日思いついたことをつらつらと。

自分はPCはそこそこできる。PCスキルでそこそこ、っていうのも判断は難しいけど、
まあ職場のおじさんおばさんがこぞって「PCのことはこいつに聞いておこう」って来る感じのレベル。
彼らは「全くパソコンってのはよくわかんないよなあ」というのが口癖で、
まず自分で知識やスキルを身につけようという感じではない。
でもこの場合、職場では役に立つ人間という評価ももらえるので、頼られるのは悪い気はしない。


うちの職場の経理やっているおばさんも、
PCは辛うじて通常業務で慣れている分だけはこなせるが、イレギュラーな処理については全くお手上げといったレベル。
このおばさんも、PCのことは自分によく聞いてくるし、自分も普通にいろいろと教えてあげたりしてた。


で、このおばさん、電卓打つのがえらい速かった。
かっけーなあと常々思ってたのだが、ある日電卓検定なるものがあるのを聞きつけて、
大原の教室に通って数カ月練習してみた。
要は片手キーボードのブラインドタッチなわけで、要領つかめば1級くらいどうということはなかった。
かなり自分も速くなり、おばさんの電卓打ちスキルに肉薄していた。

で、ある日、このおばさんに向かって、
「自分もかなり速くなりましたよ!」ってアピールした。
「すごいわねえ、あんたもやるじゃん!」的なレスポンスを期待していたところ、
「ふーん」っていう、なんかなんだかすごく名状しがたい微妙な反応が返ってきてすごい戸惑った。

最近になって、どうやらあれは
「おばさんのプライドを著しく傷つけたのではないか」
という気がして昨日家に帰ったあと彼女に話したら、
そんなの当たり前じゃんもっと早く気付いてやれよと一喝された。
お前は鈍感だ穴に入って反省しろとありがたいお叱りを拝聴したわけだが、
なるほどそうだったかもしれないっていうか、
俺がそういうことに気づかないことそれ自体がおばさんにすごく、
顔に出せない嫌な思いをさせたのかなと思い、反省する、っていうかでもなんかそれって俺のせいなのか、
という釈然としない思いのまま昨日は過ごした。

んで、さらに今日タイトルに書いたようなことをふと考えついたっていうか。
おじさんおばさんたちがパソコンのスキルを身に付けないのは、
技術的な能力や勉強能力とかの問題じゃなくて、
上に書いたようなプライドの問題なんじゃないかなと。

もしPC技術の習得に本気で取り組まなくてはいけなくなったとしたら、
20・30の若造たちに、ことあるごとに頭を垂れて教えを乞わなくてはいけない。
独学するにしたって、PCスキルのヒエラルキーでは、かなり下位の方に列せられてしまう。
ある程度の年齢に達したら、やっぱそういうのって屈辱的だと思う。

だとしたら、始めっからそんな土俵には上がらないに限る。
・・・こんな感じで、中高年の人たちはPCスキルの習得については不戦敗を決め込んでんじゃないかなあと。
「おっさんおばさん連中はそもそもPCが苦手」
「PCを使うのは若者、じじばばはできなくて当然」って社会的コンセンサスを作り上げておく。
戦いをハナから拒否しておけば、彼ら彼女らの自尊心も安泰で安心、っていう。


それにしても電卓の件は結構自分の中では衝撃的だった。
おばさんの自尊心にものすごく鈍感っていうかなーんも考えていなかった自分の意識もそうだし、
もし自分があと数十年経って、自分の仕事スキルを容易に脅かす若造が入ってきたらどう感じるのか、と。
おっさんおばさんはホントPCくらいちょっとでもいいから勉強しろよ、とか思ってたけど、
明日は我が身って感じで少しばかりは生暖かい視線を持つよう心がけようかなあとか思うようになった。
将来の自分の自尊心への保険的な意味で。

でも本当はやっぱまだ釈然としない。
無邪気に仕事をサクサクこなすことが、人を傷つけるということ。
自分の気持ちを卑屈にしたくはないし、おっちゃんおばちゃんの気持ちやプライドもわかる。
モロに人間の「気持ち・感情」に関わってくるところだから、
業務効率性なんてお行儀のいい言葉なんかじゃちっとも解決できないことだもんなあ。

とりあえず職場では、PCができるってことに対してあまり無邪気でいないようにすることだけは心がけようと思いました。
大人になるって嫌なことだね。

復縁成功に向けて

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